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自己消火性が必要な配線ダクト

オフィスビルなどでは、電気の配線工事を行う際に配線ダクトというものを用います。

これはレール状の細長い装置で、中にケーブルを収めておくことで架線が垂れ下がったりバラバラになったりするのを防ぎます。床下や天井裏などに設置するのが一般的ですが、場合によっては天井から吊り下げて使うこともあります。この使い方だと、たとえば室内のレイアウトを変更する際も照明器具をダクトに沿って移動させるだけで良いので、工事が簡単に済むという利点があります。配線ダクトには、以前は金属が素材に使われることもありましたが、近年では塩化ビニールなどの樹脂製品が主流となっています。

樹脂製のダクトは軽量で扱いやすく、切断などの加工が容易であるため近年は急速に普及が進んでいます。ただ、樹脂製のダクトには金属に比べると燃えやすいという課題があります。電気の配線部は漏電やショートなど、火災の発生場所になりやすいリスクを秘めています。ケーブルが何らかの原因で発火し、それが配線ダクトに燃え移ると、ダクトの進路に沿って火が燃え広がってしまうおそれがあります。

そこで、火災のリスクを減らすには自己消火性の高い素材を用いることが推奨されています。自己消火性とは、熱源がなくなった時に自ら消火する性質のことをいいます。つまり完全な不燃性を備えているわけではないが、炎から離れれば自然に火が消えてしまう性質のことです。樹脂素材としてはポリカーボネートやナイロン66などがこれに当たり、火災リスクの高い場所ではこうした素材を用いた配線ダクトが使われます。

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